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基本料金無料はPSO2を広めていく覚悟の象徴――クローズドβテストの詳細やビジネスモデルなどが発表された「ファンタシースターオンライン2」メディアブリーフィング2ndをレポート

日付:2012-03-28 17:36:00    アクセス回数:1301次

※クローズドβテストのレベルキャップが30として発表されていましたが,メーカーより訂正依頼があったため,該当部分を修正しました。

 本日(2012年3月26日),セガのオンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」(PC/PS Vita/iPhone/Android)のメディア向けイベント「メディアブリーフィング2nd」が,東京秋葉原のUDXシアターで行われた。
 本日掲載した速報でもお伝えしたように,同イベントではクローズドβテストの実施時期やスマートフォン版の展開,そしてビジネスモデルといったさまざまな事柄が発表された。
 なお,サービス開始時期については,PC版が2012年初夏,スマートフォン版が2012年冬,そしてPS Vita版が2013年春にサービス開始予定であることが明らかにされた。
 本稿ではその模様をレポートしていこう。

ブリーフィングでは,PSO2のプロデューサーである酒井智史氏が登壇し,プレゼンテーションを行った。
 酒井氏はまず,PSO2で3つの“革命”として掲げた,「無限の冒険」「オンラインRPG最高峰のアクション」「究極のキャラクタークリエイト」をあらためて紹介するとともに,2012年1月末~2月頭に実施されたα2テスト,PlayStation Vita版の発表など,これまでの展開を振り返った。

続けて,「遊びの中身だけではなく,遊びのスタイルそのものにも革命を起こす」と述べ,第4の革命「境界を超えるRPG」の構想が披露された。
 酒井氏は,ゲームというインタラクティブな娯楽分野において,いつでもどこでも楽しめる「ユビキタスの概念」を実現させ,オンラインゲームの楽しさをより多くの人に広めるべく,「ゲームが夢見てたゲーム」をPSO2で実現したいという。

 ここで最新のムービーが公開された。このムービーでは「PSO2」のメインバージョンとして開発が進められているPC版と,先日発表されたもう一つの柱,PS Vita版が紹介され,さらに速報でお伝えした,スマートフォン版の存在が明らかにされた。

 酒井氏は,「サービスを長期的に継続させていくためには,変化に流されないハードが必要」と説明。メインデバイスにPCを選んだ理由として,PCというプラットフォームはアップデートやコミュニケーションに最適であることなどを挙げた。

PS Vita版については「PC環境が用意できないユーザーと,気軽にプレイしたいPCユーザーのために用意した」とコメント。
 PC版/PS Vita版ともに,キャラクターデータの共有が可能。家のPCでプレイしたあと,PS Vitaがあれば,外出先のWi-Fiスポットなどでその続きをプレイする,といった形での連動が予定されている。また,データはサーバーに保存される形となるため,チートなどの不正行為が行えないよう,対策も施されるとのこと。
 なお,PS2の「ファンタシースター ユニバース」などでは,大規模アップデートでのデータ追加やシステム変更などに対応できない部分もあったが,PS Vitaは,そういったアップデートにも十分対応できるスペックを持っていると,酒井氏は述べていた。

そして,第4の革命「境界を超えるRPG」をより鮮明にするデバイスとして,スマートフォン版の説明が行われた。
 酒井氏によると,スマートフォン版PSO2は,PC版,PS Vita版と同じ世界観を共有しつつ,より簡単なキャラクタークリエイトやアクションを楽しめる,一人プレイ用の別ゲームとして開発されているものだという。入門編として最適な“もう1つの「PSO2」”と考えてほしいそうだ。

またスマートフォン版は,PC版やPSP Vita版とは違ったサブデバイスとして使うことにも適しているという。キャラクターを育成したり,友達のキャラクターと冒険をしたり,フレンドのメールを見たり,ショップの売り上げを確認したりといった,“常に身に付けているガジェット”の特徴を生かした楽しみ方ができるとのこと。

 なお,3つのデバイスすべてでPSO2をプレイする必要はまったくなく,1つのデバイスだけでも十分に楽しめるので,好きなプラットフォームを選んでプレイしてほしいと述べた。

基本プレイ無料+アイテム課金。クライアントのダウンロードも無料に

 次に酒井氏は,PSO2のビジネスモデルについて,どのプラットフォームにおいても「ゲームソフトは無料ダウンロード」であり「基本プレイはすべて無料」,一部有料アイテムの販売で運営していくと発表した。

 酒井氏は,パッケージ販売や月額課金といったスタイルには安心感はあるものの,ゲームを始めるまでにかかるコストの高さが,ゲームプレイにブレーキをかける部分があることは否めないとする。
 そうしたことを考慮した結果,ゲームの面白さの根幹となる部分は無料とし,コスチュームや一部システム周りなど,プラスαの部分に課金するシステムを導入するに至ったと述べた。酒井氏は,まずはハードルを極力低くして,プレイしてもらうことが作品世界の裾野を広げ,ファンタシースタープロジェクト全体を,太く長く楽しんでもらうために最適な方策であると続けた。

ここで酒井氏は,PSO2の基本的なポリシーとして以下を挙げた。

・無料でもクラスレベルの制限はありません。
・高性能な武器等の直接販売はいたしません。

 PSO2では,課金/非課金の違いで,キャラクターの育成や高性能武器のようなアイテムを入手できる/できないといった差を付けないそうで,時間をかければ,非課金でもキャラクターを最強の状態に育成することは十分可能だという。
 なお,一部キャンペーン商品などに付属する,無料では手に入らないアイテムもあるが,それらについては性能面などで突出することがないよう,慎重に検討していくとした。

また,PSO2における有料アイテムの購入などには,“アークスキャッシュ”(AC)と呼ばれる仮想通貨が使用される。これらは,PC版/PS Vita版/スマートフォン版で共通の仕組みとなり,一部の例外はあるが,基本的にはデバイスごとにチャージをする必要はないそうである。


PC版のサービスインが最重要課題。4月下旬実施のCBTではストーリー要素も体験できる

 酒井氏は,「我々はPC版のサービスインを第一に考えて進めている」と前置きし,PC版の今後の展開を紹介した。まずは,10万人規模での実施を考えているというクローズドβテストの詳細を明かした。

 先ほど「こちら」の記事でお伝えしたように,本日よりクローズドβテスターの募集は開始されている。

実施時期は4月下旬からゴールデンウィーク頃までの予定で,今回はメンテナンスがない限り,24時間いつでもプレイ可能となるそうだ。

 α2テストでキャラクターのクラスレベルを10以上まで上げた人は,クローズドβテストにも継続して参加が可能。それ以外のα/α2テスト参加者は,クローズドβテスト参加の抽選対象となっているため,あらためて応募する必要はない。
 なお応募には,SEGA ID(メールアドレスと生年月日のみで登録可能)が必要となる。

 酒井氏によると,CBTの目的は「基本となるゲームシステムすべての最終テスト」「アークスキャッシュの動作チェック」の2つになるとのことだ。もちろん,さまざまな新要素が追加される予定で,それらについても,ムービーで一気に紹介された。
 以下に,それらの新要素をまとめておこう。ざっと羅列されただけのものもあるので,詳細が不明な物もある点は,あらかじめ了承してほしい。

・クラスレベル20まで育成可能
・アークス・シティで,アイテム鑑定ショップ,エステショップ,コスチュームショップなどが利用可能に
・ゲートエリアではチームカウンター,称号カウンター,メディカルセンターなどを追加
・マイルームのギミック付きルームグッズ多数追加。設置場所も多彩に
・マイショップを開設可能
・「シンボルチャット」が超進化した「シンボルアート」の実装

・フレンドのキャラといつでも冒険できる「フレンドパートナーシステム」
・チーム(ギルド?)の設立。チームチャットも可能
・ストーリー要素の実装および豪華声優陣を起用
・出演キャスト発表(下野 紘さん,木村良平さん,日笠陽子さん,緒方恵美さん,秋元羊介さん,阿澄佳奈さん,井口裕香さん,伊瀬茉莉也さん,植田佳奈さん,岡本信彦さん,柿原徹也さん,門脇舞以さん,金元寿子さん,神谷浩史さん,榊原良子さん,佐藤聡美さん,白鳥 哲さん,立木文彦さん,飛田展男さん,花澤香菜さん,渡辺久美子さん)
・キーアイテムを集めて新たな歴史の扉を開けるという“マターボード”の実装
・新武器カテゴリ(ハンターの“パルチザン”,レンジャーの“ランチャー”,フォースの“タリス”)
・新テクニック・スキル・フォトンアーツの追加
・成長する相棒“マグ”,およびマグが幻獣に変化する必殺技“フォトンブラスト”
・新インタラプトイベント
・新フィールド「市街地」
・新ボスエネミー「ダーク・ラグネ」

さらに,「キャラクタークリエイト体験版」が4月5日に配信開始されることも明らかになった。クローズドβテストに先駆けてキャラクタークリエイトが楽しめ,作ったキャラクターはCBTで使用できるそうだ。この体験版にはベンチマーク機能も付いており,自分のPCではどのくらい快適にPSO2をプレイできるか,測定ができるとのこと。
 そのほか,キャラクタークリエイト体験版をプレイした人に向けて,“キャラクターコンテスト”の実施も予定されている。詳細は不明だが,「PSO2ならでは」の副賞も用意される模様だ。

そのほか,PSO2推奨PCなどにゲーム内アイテムが付属する“トリニティキャンペーン”も発表された。発売日は4月19日以降となる予定。

 また,1000店舗以上のネットカフェでPSO2がサービス展開されることも明らかになった。詳細は不明だが,対象店舗ではクローズドβテストに優先的に参加できるとのこと。また,サービスインに向けてネットカフェ限定特典も用意されるそうだ。
 これらについては,今後公式サイトでの発表を待ってほしい。

メディアブリーフィングは以上で終了だ。本稿の締めとして,イベント終了後に行われた,酒井氏への質疑応答の概要を掲載しよう。

――クローズドβテストはいつ頃までの実施を予定しているのでしょうか?

酒井氏:
 4月下旬からゴールデンウィークにかかるくらいまでの時期を予定しています。

――クローズドβテストで行われる仮想通貨(アークスキャッシュ)のテストとは,どのような内容なのでしょうか。

酒井氏:
 ユーザーさんに仮想通貨を使っていただく局面がいくつかあるので,そのシステムが正常に稼働するかどうかのテストとなります。

――仮想通貨では具体的に何が購入できるのでしょうか。

酒井氏:
 詳しいことはクローズドβテストで明かされる予定ですが,コスチューム関連やシステム的な部分でアークスキャッシュを使っていただくことを予定しています。

――PS Vita版のWi-Fiと3G回線で差異はありますか?

酒井氏:
 基本的に,3G回線でパーティプレイはできないと考えていただいたほうがいいです。ですので,普段はWi-Fiでプレイしていただきたいですね。3G回線については,別途対応を考えているところです。

――ゲームを立ち上げずに,ユーザー同士がコミュニケーションできるスペースなどの設置は考えていますか?

酒井氏:
 現状では考えていません。

――課金アイテムはユーザー同士で取引できますか?

酒井氏:
 できるものとできないものがありますが,服などに関しては,買ったあとにユーザーショップで取引できます。

――仮想通貨のチャージは,どのような手段を予定していますか?

酒井氏:
 基本的に,他のオンラインゲームで使えるものは,ほぼ利用できると思っていただければと思います。

――PS Vita版が,オブジェクトの表示や,ネットワークプレイ部分で足かせになってしまう可能性はありますか?

酒井氏:
 我々としてはPC版とPS Vita版で同期プレイを目指していますが,そういった部分に関しては,ユーザーテストをしてみないと分からない部分もあります。今は「同期プレイができます」という言い方をしていますが,できない部分があったら,できないと割り切ってしまうのも1つの考えかなと思っています。
 変な言い方になってしまうかもしれませんが,PS Vita版のことを考慮して制限するようなことは行いません。PC版がメインプラットフォームというのは,そういう意味なんです。

――PC,PS Vita,スマートフォンというプラットフォーム全体で,最終的にはどの程度の人数を想定されていますか?

酒井氏:
 難しいですね(笑)。まあ,合わせて100万人くらいは欲しいなと思っています。

――最後にメッセージをお願いします。

酒井氏:
 ゲームを無料にするというのは賛否両論あると思うんですけど,それは,PSO2をより多くの人にプレイしていただきたいという,我々の覚悟の象徴だと思っていただきたいです。
 セガ全体として,PSO2を広めていきたいという決意でもあります。ぜひ,今後ともご期待いただければと思いますので,よろしくお願いします。

 

 

 

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