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たAndroid版「ファンタシースターオンライン2 es」は，SFをテーマにしたオンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」（PC/PS Vita）と世界観を共有する，基本プレイ無料のオンラインRPGだ。
　プレイヤーの目的は，惑星間航行船団「オラクル」の調査隊である「アークス」の一員として，未知の惑星を探検してさまざまな謎を解き明かしていくことだ。なお，「PSO2es」では「PSO2」と異なる専用のストーリーが展開されることになる。
　本作最大の特徴は，スマートフォン向けのゲームとして単独で成立しているだけでなく，「PSO2」と連携することで，獲得した経験値の一部やアイテムなどを共有できる，コンパニオンアプリとしての役割も持っていることだ。
　本稿では，「PSO2es」のゲーム概要や「PSO2」との連動機能をまとめて紹介していこう。

なお，今回「PSO2es」がリリースされたのはAndroid版のみだが，今後iOS版のリリースも予定されている。iOS版は準備が整い次第，近日中に配信予定とのことなので，iPhone/iPadユーザーは，今後の発表を待ってほしい。
　本作をプレイするには，1GB以上の内部メモリを搭載したAndroid OS 4.0以降に対応した端末で，300MB以上の空き容量が必要となる。推奨端末および動作可能端末は，以下のとおりだ。なお，表は2014年4月7日時点のものなので，最新情報は公式サイトやGoogle Playの「PSO2es」紹介ページで確認してほしい。

■「ファンタシースターオンライン２ es」推奨機種
引用元：
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.PhantasyStarOnline2es

■推奨機種以外でダウンロード可能な端末
※推奨機種ではないため不具合等が発生する可能性あり
※ダウンロード可能端末については随時追加される予定

　本作は基本プレイ無料で，ダウンロードすれば誰でもプレイ可能だが，「PSO2」との連動を行うにはSEGA IDが必要になる。詳しくは後述するが，仮に「PSO2」をプレイする予定がなくとも，連動させておくとさまざまなメリットを享受できる。SEGA IDの登録は無料なので，手続きをしておくのがオススメだ。

　なお，SEGA IDの申し込みはメールアドレスとパスワードの登録だけという簡単なものだが，パスワードを忘れた際の再設定にはSEGA IDの「漢字の氏名」「生年月日」「ヒミツの質問」「連絡先メールアドレス（予備）」いずれかの情報が必要になる。不測の事態に備えて，早めにSEGA ID管理画面で情報の登録を行っておこう。

　「PSO2es」をプレイするのに必要な端末の空き容量は300MB以上とされているが，追加のゲームデータをインストールすると，最大で3GB程度の容量を使用することになる。
　追加データのインストールは2段階あり，「アイテムアイコン」（約600MB）か「全てをダウンロード」（約3GB）を選択可能だ。もちろん，追加データなしでプレイしても支障はないのだが，インストールすることで，視認性が高まったりキャラクターの見た目がよりバリエーション豊かになる。また，一部のロード時間が短縮されるというメリットもある。

　本作では，データ領域節約のためか，同一カテゴリのアイテムアイコンは共通のものが使われている。文字情報を見れば区別はできるが，同じアイコンがずらりと並んでしまうこともある。「アイテムアイコン」をダウンロードすれば，アイコンの見た目が「PSO2」と同じになり，より視認性が高くなるというわけだ。
　「全てをダウンロード」すると，アイテムアイコンに加えて，キャラクターの衣装や武器などのCGモデルすべてがインストールされる。装備したアイテム本来の姿がゲームに反映されるので，インストールすれば，よりアイテム収集の楽しさが増すはずだ。
　追加データのダウンロードは必須ではないので，まずは追加データなしでプレイしてみて，物足りなさを感じたら，端末の空き容量を確認しつつインストールを検討すればいいだろう。

なお，今後のアップデートでアイテム類が追加されるにつれ，「PSO2es」の総データ量も増えていく点には気をつけてほしい。現時点では追加データの削除機能はないため，容量を圧迫する場合は，いったん「PSO2es」を削除して，再度ゲーム本体をダウンロードする必要がある。本作のセーブデータはすべてサーバーに保存されるため，アプリを削除してもデータが消えることはない。

スマートフォンでも自由度の高いキャラクタークリエイトを実現。「PSO2」連動でさらに細かいカスタマイズが可能に

　「PSO2es」を始めるときは，プレイヤーキャラクターを新規に作成するか，「PSO2」と連動するかを選ぶことになる。連動した場合は「PSO2」のキャラクターをそのまま使用するので，キャラクタークリエイトはスキップされる。ちなみに，「PSO2es」で新規にキャラクターを作成したあとに，作成済みのキャラクターがいる「PSO2」のSEGA IDと紐付けすることはできない。
　キャラクタークリエイトでは，種族/性別/クラスを選べるほか，キャラクターの見た目を細かくカスタマイズできる。
　用意されている項目は，「顔」「髪」「体型（および身長）」「コスチューム」「アクセサリー」の5つ。顔や髪型，コスチューム，アクセサリーはあらかじめ用意されたパターンから選択する形になり，肌色や髪の色などはカラーパレットから自由に設定できる。体型と身長はスライダーで調整が可能だ。
　また，詳細は後述するが，連動を行うとキャラクターを「PSO2」でより細かくカスタマイズできるようになる。顔/身体の各パーツのサイズや位置の調整をはじめ，女性キャラクターならバストのサイズや形/向きまで自分好みにカスタマイズできるので，興味を持った人は試してみてほしい。

　「PSO2es」で選択できるクラスは，近接戦闘に向いたハンター，射撃による中距離攻撃を得意とするレンジャー，テクニックを駆使する遠距離戦闘に向いたフォース，近接/遠距離攻撃を使い分けられるブレイバーの4種類。ゲームを始めたあとにいつでも変更できるので，キャラクタークリエイトの際にあまり深く悩む必要はない。クラスレベルを上げれば，「ファイター」「テクター」「ガンナー」という上位クラスも選べるようになる。
　「PSO2es」にはキャラクターレベルという概念はなく，レベルはクラスごとに設定されている。ゲームをプレイしながら自分に向いたクラスを探し，自分のプレイスタイルに合ったクラスのレベルを上げていけばいいのである。
　なお「PSO2es」では，新規に始めた場合はもちろん，「PSO2」と連動した場合も，キャラクターのクラスレベルはすべて1からスタートすることになる。

「PSO2es」では「チップ」がバトルのカギを握る――ゲームの流れと基本的なシステムを紹介
　「PSO2es」のクエストは，画面に表示されるマスをタップして進んでいくという形式を採っている。止まったマスによってエネミーとのバトルになったり，HPが回復したりといったイベントが発生し，最深部に待ち構えているボスエネミーを倒すとクリアとなる。

　バトル時の操作は，フリックとタッチを使って行う。画面を上下左右にフリックすることでキャラクターがその方向に移動し，画面をタッチすると攻撃を繰り出すというように，操作は直感的に行える。なお，複数のエネミーがいるバトルでは，画面両端の「≪」「≫」マークをタッチすることで，ターゲットの切り替えを行える。

　バトルでは，エネミーの弱点属性で攻撃したり，フォトンアーツ（必殺技）やテクニック（魔法）といったアビリティ（スキル）を使ったりすることで，戦闘を有利に進められる。

　「PSO2es」では，クエスト報酬などで入手できる「チップ」と呼ばれるアイテムをスロットにセットすればアビリティを使えるようになる。スロットにセットできるアビリティは最初は2つだけだが，ゲームを進めると最大5つまで拡張されていく。
　チップは，セットするだけで効果が発動するサポート用と，CP（チップポイント）を消費して発動する攻撃用の2タイプに分類される。
　チップにはフォトンアーツやテクニック，属性ボーナスのほか，エネミーやNPCの能力が込められたものがあり，「アイテムラボ」でチップ同士を合成して強化/進化させることで，より強力なアビリティを使えるようになる。

　チップシステムは，「PSO2」で例えると，着脱自由で強化/進化もできるディスクを直接パレットにセットするような仕組みといえる。フォトンアーツやテクニックは連動の対象外なので，「PSO2es」と「PSO2」で別々に入手/成長させる必要がある，と考えれば分かりやすいだろう。

ファンタシースターオンライン2 es 　連動を行ったキャラクターでは，武器やユニットなどの装備アイテムが「PSO2es」と「PSO2」で共有される。そのため，「PSO2」で手に入れた装備品を「PSO2es」で使うことも，その逆も可能だ。「PSO2es」で入手した装備品にも固有の属性ボーナス自体は存在するので，「PSO2」で使う場合はその効果が適用される。
　ただし，属性ボーナスはチップのアビリティに組み込まれるため，装備品固有の属性ボーナスは「PSO2es」では無効化される。属性ボーナスのチップを複数セットした場合，エネミーにもっとも有効な属性が自動的に適用されることになる。

　なお，「PSO2es」では装備品の装備条件が存在しないので，「PSO2」ではステータスが足りず装備できないようなアイテムでも装備することが可能だ。ただし，その代わりに「習熟度」というパラメータがあり，本来の性能を引き出せるクラスレベルに達するまで，レベルの差分に応じたパラメータ補正がかかることになる。

クエストには，フレンドまたはゲストの冒険者を1人連れて行くことができる。クエスト中のフレンドの扱いはアビリティに近く，アイコンをタッチすると一定時間サポート攻撃を行ってくれる。また，そのキャラクターのチップも一つだけだが使用できる。
　ちなみに，「PSO2」とキャラクターの連動をしても，フレンドは「PSO2es」で共有されない。「PSO2」のフレンドと「PSO2es」でもつながりたいときは，プレイヤーIDやキャラクター名で検索して別途フレンド申請をすることになる。

　本作は，「行動力」を消費してクエストに挑戦するというスタミナ制を採用しており，行動力の上限は，クエストの進行度に応じて増えていく。行動力を消費するのはクエスト突入時のみなので，ソーシャルゲームにありがちな，「クエスト中にスタミナが足りなくなって先に進めない」といった状況は発生しない。
　また，クエストで通信が発生する（＝サーバーと同期を行う）のは開始/終了時のみなので，通信エラーでクエストが強制終了されるようなことはない。

　なお，行動力は基本的に時間経過で回復するが，リアルマネーをチャージして使用するAC（アークスキャッシュ）や「ラッピーメダル」を使って回復させることも可能だ。
　ラッピーメダルは，シリーズクエストの達成報酬で入手できたり，ゲーム内イベントなどで配布されたりする。また，「PSO2」と連動を行ったあとにプレミアムセットを利用していれば，1日1枚ラッピーメダルが配布される。

連動すれば「PSO2es」と「PSO2」のプレイがより便利に

　「PSO2es」と「PSO2」の連動要素は以下のとおりで，「PSO2」プレイヤーなら，一見しただけでも「PSO2es」が優秀なコンパニオンアプリであることが分かるだろう。なお，連動要素はサービス開始時点のもので，連動要素は今後さらに増えていく予定とのこと。

・キャラクターの外見の共有

　キャラクターの外見については先に説明したとおり，連動を行うことで「PSO2es」と「PSO2」で同じキャラクターを使ってプレイできるようになる。「PSO2es」では，どのキャラクターでログインするか選べるようになっており，複数のシップ（サーバー）にまたがってキャラクターを所持している場合でも，スムーズにログインができる。

・獲得経験値/アイテム/メセタ/FUNなどの共有

「PSO2es」と「PSO2」でキャラクターの連動を行うと，両ゲームで経験値，入手アイテム，メセタ，FUNポイントが共有される。「PSO2es」か「PSO2」をプレイして蓄積した分が，もう一方でログインしたときに反映されるという形だ。
　ただし，経験値が反映されるのは一部で，入手アイテムはチップが共有の対象外となるというように，プレイした分がまるまる共有されるわけではない。連動できる経験値量には上限があるので，メニューの「キャラクター情報」でチェックしてほしい。

・アイテムパックの拡張

　「PSO2es」では，クエスト報酬などで手に入れたアイテムは「アイテムパック」に収納される。チップ専用のアイテムパックと，武器やユニットなどのアイテムを収納するアイテムパックがそれぞれ用意され，最大所持数はどちらも30個となっている。
　チップ専用アイテムパックは，課金するかラッピーメダルを使うことで，最大250まで拡張が可能だ。通常のアイテムパックは最大100まで拡張できるが，こちらは「PSO2」との連動が必要で，「PSO2」で拡張アイテムを購入する形だ。なお，「PSO2」と連動すれば，課金をしなくても通常のアイテムパックの最大所持数が50に拡張される。
　余談だが，「PSO2」では，非課金プレイヤーでもアイテムを最大200個保存できる倉庫を利用できる。連動することで，「PSO2es」で持ちきれないアイテムを「PSO2」に“避難”させるという使い方もできるわけだ。

・武器/ユニットの強化

「PSO2es」では，アイテムラボで「PSO2」同様に武器やユニットの強化が行える。アイテムのレア度が高くなるほど成功率が下がる点や，成功率が上昇するサポートアイテムを使える点も，「PSO2」と同じである。なお，セガによれば，成功率は「PSO2」と同じに設定されており，どちらで試行しても確率は変わらないとのこと。

・マグの育成

　「PSO2es」では，クエストに「マグ」を連れて行くことはできないが，育成することはできる。エサとして与えられるアイテムや時間帯は，基本的に「PSO2」に準拠するのだが，マグの残りエネルギー量に関しては注意が必要だ。
　エネルギー量を含むマグのステータスは，「PSO2」のサーバーで管理されているが，現時点の「PSO2es」では，ログイン/ログアウト時と，マグにアイテムを与えたときのみ同期される形になっている。そのため，マグにエサをあげてから時間が経過しても，見た目ではエサをあげた直後の状態のままなのだ。
　同期に関しては今後の課題とのことだが，同期ボタンを用意するなど，早めの対策を取ってほしいところである。

・緊急クエストの事前告知

　プレミアムセットを利用しているプレイヤー限定の機能が，緊急クエストの事前告知だ。これは，「PSO2」で不定期に発生する緊急クエストを，ゲーム内での告知よりも早い1時間前（予定）に，「PSO2es」のゲーム内で予告してくれるというものだ。なお，スマートフォンのプッシュ通知などには対応していないため，「PSO2es」をプレイしていないと告知を確認することはできない。

・ACスクラッチ

　正式サービス開始後，「PSO2es」のレアチップが手に入る「レアチップスクラッチ」や，コスチュームやパーツなどが手に入る「ACスクラッチ/ACスクラッチゴールド」が利用できるようになった。ちなみに，ACスクラッチゴールド（500AC）は，通常のACスクラッチ（300AC）よりやや高額だが，便利アイテムは排出されずコスチュームかパーツが確実に手に入るという違いがある。

　ACチップスクラッチは，「PSO2」のストーリーに登場する人物などの特別なチップが手に入るというもの。ACだけでなく，無料で入手できるラッピーメダルを使うことも可能だ。

ACスクラッチ/ACスクラッチゴールドを「PSO2es」で利用するには，SEGA IDと連動を行う必要がある。コスチュームやパーツの中には，男女の性別や種族で装備が制限されるものがあるため，装備できないアイテムが出た場合，「PSO2es」しかプレイしていない人にとっては“ハズレ”となってしまうからだ。なおセガによれば，こうしたアイテムの対応策を近日中に実装予定とのこと。
　それまでは，「PSO2」にログインしてリサイクルショップのアイテムと交換したり，「マイショップ」（※）で他プレイヤーに売ってメセタにしたりするといいだろう。

※マイショップにアイテムを出品するには，有料アイテムである「プレミアムセット30日」か「マイショップ出店30日」を購入するか，公認ネットカフェからログインする必要がある。

　「ファンタシースターオンライン2 es」のタイトルには，「『PSO2』のエッセンス（essence，本質）をスマートフォン上でも再現する」という意味が込められている。
　本作を実際にプレイした人なら，フォトンアーツやテクニックを駆使して戦うバトルなど，スマートフォンというプラットフォームに合わせた「PSO2」らしさがしっかりと再現できていることが実感できただろう。
　また，カードゲームのデッキ構築に近いチップのシステムや，クエストのサポートをしてくれるフレンドなど，近年のスマートフォンゲームにおけるはやりの要素を取り入れつつも，独自の形でうまく昇華している。単なる移植ではない独立したゲームとして，「PSO2」プレイヤーも新鮮な気持ちで楽しめるのではないだろうか。

　そのほか，スマートフォンゲームとして見たときに，「PSO2」を“倉庫”として使えるのも面白い点だ。連動を行ったあと，PCやPS Vitaから「PSO2」にログインすれば，「PSO2」の倉庫に不要なアイテムを移して，アイテムパックに空きを作ることができる。普通なら，アイテムを売却するなり課金してアイテムパックの拡張なりする必要があるところを，課金しなくても「PSO2」の倉庫に貯め込めるというのは，あまり課金しない人にとっては嬉しいところだろう。
　ただ現時点では，アイテムパックの拡張は「PSO2」でしか行えないのが残念なところ。今後の改善に期待したいものだ。

　連動機能については，「PSO2」プレイヤーにありがたい機能が満載という印象だ。「PSO2」では育成が進んでいないクラスのレベルを上げたり，外出中にマグにエサをあげたりと，外出中のちょっとした時間を利用できるのは，とくにPS Vitaを持っていないプレイヤーには朗報だろう。
　あとはiPhoneユーザーの「PSO2」プレイヤーのために，一日でも早くiOS版もリリースしてもらいたいものである。

>>http://www.4gamer.net/games/151/G015122/20140401076/

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